米国で評価され始めたハリウッドに集まる日本人ダンサーたち
- 米国在住ジャーナリスト
ニューヨークのオフ・ブロードウェイで、ロサンゼルスのダンスカンパニー「Groovaloo」(グルーヴァルー)が12月1日より公演を開始した。Shoozこと、ブラッドリー・ラパイアがはじめた同カンパニーは、フリースタイルのダンスパフォーマンスが特徴。クラブと同じライブ感を舞台で表現したといっても過言でない。様々な新聞やオンラインニュースで、「注目の舞台」として話題を呼び、ニューヨークポストは、「<フェイム>や<コーラスライン>クラスのストーリーラインに、ヒップホップを加えて混ぜたような舞台。目が飛び出るような素晴らしいパフォーマンス」と絶賛している。
http://www.groovaloo.com/
http://www.youtube.com/watch?v=9T2JLVmIzRA
http://nyunews.com/entertainment/2009/dec/08/groovaloo/
そんなニューヨークの舞台に、一人の日本人ダンサー、ジェシカ・ラボーン(http://ameblo.jp/jessicarabone/)が出演している。彼女はタレント、ベッキーの妹として、数年前までは日本でモデルやダンサーとして活動していたが、本格的にヒップホップやロッキングなど、フリースタイルを中心としたダンサーとして活動したいと、その拠点をハリウッドに移したそうだ。それから3年。 ディズニーやアメリカンアイドルのコマーシャルに出演したり、様々な舞台やダンスイベントに出演し、今回の大きなチャンスを掴んだ。「アメリカは実力主義なのがいい」とダンサーとして夢を実現するために選んだハリウッド生活は、彼女にとっては非常に分かりやすく、そして活動しやすい環境のようだ。
同じように、実力があるからこそ外国人でも正当に評価され、米国人ダンサーからもリスペクト/評価されるようになった日本人ダンサーがいる。今年9月、America's Best Dance CrewというMTVのダンス番組のシーズン4で優勝を果たした、女性ダンスクルー「We Are Heroes(ウィー・アー・ヒーローズ)」のHeroことヒロカ・マクラエとマミ・カネマツだ。
クルーのリーダーであり、振り付け師として活躍するHeroは「ハリウッドに来て出会ったパワフルで、それでいてセクシーな女性ダンサーたちをみて、どうしても女の子だけですごい迫力のあるダンスクルーを作りたい」と、グループを構成。オリジナルメンバーには、もう一人の日本人とフランス人ダンサーがいたそう。しかし、ビザの問題で番組出場がNGとなり、急遽新たなメンバーを加えての再出発。それはMTV最初の番組出演まで、1ヶ月を切ったころだったという。番組がはじまったものの、毎週の課題は決して容易な内容ではない。メンバー5人の内、2人が重度の怪我を負っての戦い。毎週毎週、彼女たちが繰り広げるパフォーマンスの裏には様々なドラマがあった。それがまた視聴者にとって、彼女たち5人の大きな魅力に映ったようだ。
http://www.youtube.com/watch?v=PtHHKMEXq-4
そして9月27日、番組で初の女性グループとして優勝してからの彼女たちの生活は大きな変革を迎えたという。様々なTV番組やライブイベントへの招待を受け、まさに「お金をもらって大好きなダンスができるようになった」という。つまり、本当のプロになったということだ。彼女たち曰く「有名アーティストのバックダンサーとして活躍しても、結局毎回オーディションを受けなくてはならない。ダンスがうまいというだけでは、仕事としてやっていくのは難しい」という。この番組をきっかけに、5人それぞれがダンサーとして認められ、振り付けやレッスンコーチとしての仕事が舞い込むようになったというのだ。特にリーダー兼振り付け師のHeroは、クルーからも、そして番組の審査員からも高い評価を受けた。
現在ほぼ全てのマネージメントは自分達自身で行なっているという。窓口にマネージャーを雇っているとはいえ、実際のスケジューリング、ネゴシエーションなどは、クルー自身が行なっている。「今はまだ全てのプロセスを自分達自身できちんとハンドリングしたいんです」とは、クルーのスケジュール管理を行なう一人であるマミの言葉。ショーの衣装なども、5人で決め、5人で買い物したり手作りしたりしているという。 素顔の5人は本当に、5人でダンスパフォーマンスができることを心から楽しんでいる。現在は様々なイベントに招待され、全米中を渡り歩いているそうだ。この春には、MTV主催のダンスパフォーマンスで初のツアーを経験出来るかもしれないと、今から心躍らせていた。
こうして夢を追いかけてここハリウッドに集まる日本人ダンサーたちは、持ち前のまじめさと器用さからしっかりと実力を伸ばし、ここにきて続々と評価されはじめているといっていい。そんな中、米国では、上記に紹介したMTVのダンス番組「America's Best Dance
Crew」の他に、ABCの「So You Think You Can Dance」やTLCの「Master of Dance」など、社交ダンス系とは別のフリースタイル/ジャズ系のダンスを取りあげた番組が相変わらず人気が高い。夢を追い求めて米国進出を果たそうとしている日本人ダンサーは後を絶たない。
Groovalooのような小集団でも、舞台パフォーマンスとして披露できる活躍の場所が用意されているのも、米国ダンス界の魅力の一つ。シアター系のアートとして、きちんと評価されているゆえ、ダンサーたちが経済的にも「ダンサー」としてきちんと生活を成り立たせていくことができているのである。
一方の日本は、一部のダンスパフォーマーは生活出来ているとはいえ、未だに多くのダンサーたちはその活動の場を求めて、華やかな舞台の裏側でアルバイトを続けながらレッスンをこなすという生活。ダンスカンパニーとしての受け皿も、残念ながらまだ少ないのが現状だ。優秀なダンサーたちはより大きな可能性を求め活動の場を広げるために、米国へ渡ってしまう現状は今後も変わらないのだろうか。
【編集部ピックアップ関連情報】
○Eko's スクール日記 「お気に入りテレビ」2009/09/22
オレは感動したね。日本人の女の子が、ヒップホップの本場たるアメリカで
グループを率いて、正々堂々とMTVのコンテストに出てファイナリストに
なっている。かっこいいぜ!!!!日本の未来は明るい。安心した。
http://eko2010.exblog.jp/12409643/
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